ロレックスの認定中古販売がついに日本でも解禁されました。
Rolex Certified Pre-Ownedプログラム(ロレックス認定中古プログラム)は2022年の12月に発表されたプログラムで、ロレックス認定中古販売が始まることで、相場などにも大きな影響を及ぼすともささやかれています。
そこで今回は、Rolex Certified Pre-Ownedプログラムが、二次流通価格にどのように影響してくるのか?今後ロレックス市場に与えうる影響などを予測し解説していきます。
ロレックス認定中古プログラムの内容
ロレックスが公式に発表している認定中古プログラム(Rolex Certified Pre-Owned)の内容について解説していきます。
真正性を保証
https://www.rolex.com/Rolex Certified Pre-Owned(ロレックス認定中古時計)プログラムは、「Rolex Certified Pre-Owned」という特別なプレートを掲げた正規品販売店にて再販される時点で、中古のロレックス ウォッチの真正性を保証するものです。お買い求めいただいた時計が、すべてのロレックス製品に適用される品質基準を満たしていること、そしてロレックスのワールドワイドネットワークのノウハウとプロフェッショナリズムを反映した時計であることを保証します。
要約すると、「ロレックス認定中古時計は完全に本物であることを保証しますよ」という事です。
昨今ではロレックスの偽物がたくさん流通しており、偽物をつかまされる方も少なくありません。
しかし、ロレックス認定中古時計であればだれが何と言おうとロレックスが本物であることを保証するというものです。
2年間の国際保証
https://www.rolex.com/販売時にお渡しするRolex Certified Pre-Ownedの国際保証カードは、ご購入時における時計の真正性を正式に認めるものです。また、保証マニュアルに従い、ご購入日より2年間、時計が正常に作動することを保証します。
ロレックス認定中古時計を購入すれば中古時計でも2年間の国際保証が付与されます。
多くの二次流通時計では1年間の保証というものが多いですが、ロレックスでは2年間保証となるので万が一不具合があった場合でも2年間無償修理が適用されるのはありがたいです。
専用のポーチが付属する
https://www.rolex.com/ロレックス認定中古時計は、専用のポーチに入れられます。時計には、ロレックス認定中古時計のタグ、2年間の国際保証カード、アフターサービスに関する小冊子、保証マニュアルがついています。
ロレックス認定中古時計は専用のポーチが付属するようですが、現在のところ箱も付属するのかどうかは不明です。
こちらの専用ポーチはわざわざ公式サイトで宣伝するくらいなので失くしてしまうと価格にも大きな影響を与えてきそうです。
こういった専用の付属品を用意することで二次流通の管理を行おうとしているのではないでしょうか?
認定中古時計が販売されている店舗は?
現在認定中古時計が販売されている店舗は調べてみましたが、表参道のロレックスブティックのみでした。(2024/11/06)
今後、サービスの拡大のためにロレックス認定中古を取り扱う店舗が増えていきそうです。
海外ではすでに多数の店舗が認定中古時計を販売しています。
まだほとんどの方に認知されていないサービスなので、実験的な意味で表参道のブティックのみとなっているのかもしれません。
ロレックス認定中古時計が与える二次流通価格への影響
ロレックス認定中古時計が今後広がれば二次流通価格に確実に影響してくると私は思っています。
なぜなら、時計と同じように車業界でもこういった認定中古はすでに盛んに取引されており、中古車販売店は認定中古車よりも安く販売しなければ売れないようになっています。
そのため、今回のRolex Certified Pre-Ownedプログラムによって二次流通の天井価格は、基本的にロレックス認定中古時計にあわせた価格になります。
そうすることで相場をコントロールすることができるので、ロレックスにとっては非常にメリットが大きいと考えられます。
認定中古時計の影響を受けないモデル
二次流通においてロレックス認定中古時計の影響を受けるモデルが大半ですが、一部のモデルは認定中古時計の影響を受けないことが予想されます。
それは希少モデルです。
その理由としては先ほど説明した中古車でも同じような現象が起きているからです。
基本的に希少モデルは高値で取引されており、そもそもの買取価格が正規店よりも中古時計店のほうが高い傾向にあります。
希少モデルは中古時計店が喉から手が出るほど欲しがるので、希少モデルの二次流通価格は正規店が中古時計店に引っ張られる形になります。
このように認定中古時計ができたからといって中古時計店の二次流通価格すべてに影響するというわけではないのです。
ロレックス認定中古時計との価格差を比較してみた
実際にロレックス認定中古時計と中古時計店が販売する時計の価格差を調べてみました。
スイスではすでに価格も記載されており、比較ができる状態ですので参考にしていただければと思います。
GMTマスター2(2015年モデル):116710BLNR(通称バットマン)
こちらは通称バットマンと呼ばれるモデルで2015年モデルのロレックス認定中古時計です。
価格はスイスフランでCHF18,500となっており、日本円に換算すると約325万円(2024年11月)になります。
しかし、中古時計店での販売価格は約230万円となってますので、普通よりも90万円程高い計算です。
GMTマスター2(2010年モデル):116710
こちらは同じくGMTマスター2の2010年モデルとなります。
価格はCHF15,000となっており、日本円に換算すると約264万円となります。
中古時計店の販売価格は200万円程となりますので60万円程高く販売されています。
ディープシー(2016年モデル):116660
こちらはシードゥエラーディープシーの2016年モデルです。
価格はCHF17,400で販売されており、日本円に換算すると約306万円です。
中古時計店の販売価格は約200万円程ですので、100万円程高くなっています。
このように認定中古価格は中古時計店が販売する二次流通価格よりも基本的には高くなります。しかし、売れなければ意味がないので最初は強気な価格設定でも徐々に価格を下げる可能性もあります。
高くても買うほどのメリットがあるのか
ロレックス認定中古時計の価格は一般的な中古時計店よりも価格は高めですが、メリットも多いかと思います。
中古車市場のように多少高くとも、常連顧客になるために購入する方や安心感を求めて購入する方もたくさんいらっしゃるかと思います。
そういった方にとっては中古時計店のロレックスは選択肢に入らず、迷わずロレックス正規店から認定中古時計を購入するでしょう。
認定中古時計には2年保証も付帯しており、今後保証継承なども合わせて顧客の管理が行われるのではないかと予想しています。
ロレックスとしては中古時計市場に参入することで、顧客の囲い込みを行いたいのではないかと思います。
一番影響があるのは時計修理店かもしれない
ロレックスの中古市場参入によって一番影響があるのは時計修理店の可能性があります。
なぜなら過去の事例で、正規店以外への純正パーツの供給を停止する処置が車業界では実際に起こっているからです。
そのため、ロレックスの中古市場参入がうまくいけば時計修理業者へ大きなダメージを与える可能性があります。
おすすめの時計修理店はこちら↓
時計修理店で修理ができなければ、ロレックス正規店に行くしかありません。
そういったことをロレックスが行う予定なのであれば、今後時計修理業界は苦しい状態になることは避けられないでしょう。
まとめ
ロレックス認定中古時計が今後広まるにつれて二次流通価格に影響が出ることはわかっていただけたかと思います。
しかし、現在はとても強気な価格設定なので顧客がその価格帯で納得するかどうかのテスト期間かと思います。
また、認定中古時計の場合は購入制限などもない可能性が高くロレックスの常連客になるために購入することもアリだと思います。
ロレックスが今後中古市場の囲い込みに成功するかどうかは分かりませんが、少なくとも私は認定中古時計があることで安心できるのでロレックスのさらなる発展に期待しています。